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夏への扉

コネチカットの冬が素晴らしいのは、もっぱらクリスマスカードの絵の中だけだ。その冬が来るとピートは、きまって、まず自分用のドアを試み、ドアの外に白色の不愉快極まる代物を見つけると(馬鹿ではなかったので)もう外へはでようとせず、人間用のドアを開けて見せろとぼくにうるさくまつわりつく。
 彼は、その人間用のドアの、少なくともどれか一つが、夏につうじているという固い信念を持っていたのである。これは、彼がこの欲求を起こす都度、ぼくが十一ヶ所のドアを一つずつ彼について回って、彼が納得するまでドアを開けておき、さらに次のドアを試みるという巡礼の旅を続けなければならぬことを意味する。(『夏への扉』 ロバート・A・ハインライン 福島雅美訳 p.8 早川書房)

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ラクさんはきっとメディカルセンターの扉のどれかが、夏へとつながっているとかたく信じているにちがいない。

撮影協力:ラクさん
by Ihathesa | 2005-08-06 20:25 | 日々雑記
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